電気防食システム設置事例のご紹介

設置後10年のいま
(築29年のLマンション 94戸)

平成12年2月にラスカットを設置し、平成22年9月で設置後10年半が経過した。

「ラスカットの防食効果に対しては、高い評価をしている」と理事長のFさん。防食効果については、水質検査や内視鏡検査結果により裏付けされている。

設置10年後も水質検査で全鉄はほぼ検出限界値を示している。

築29年のLマンション 94戸

設置時に0.2mg/Lあった全鉄の値が、設置4ヶ月後には0.38mg/Lに増えた。これはエレクトロコーティングの生成過程で、既存の錆の一部がはく離した電気防食特有の事象である。設置後6ヶ月後には、全鉄はほぼ検出限界値を示している。

設置1年8ヶ月後には0.05mg/L、そして昨年9月に実施した設置9年6ヶ月後の検査でも全鉄が0.04mg/Lと、長期間全鉄はほぼ検出限界値を維持しており、防食効果が長い時間発揮されていることが分かる。

内視鏡検査で新たな錆の発生なし

設置前と設置9年5ヶ月後では、明らかに新たな錆の発生が観られない。

内面も滑らかになっていて、一部は錆が剥がれ、塩ビライニングの地肌が露出している状態が観える。

導入の背景

当初ライニング工法で給水管対策を実施することが九分九厘決定していたが、総会で工事の実施を見送ることに決定となった。
テレビ番組で電気防食装置「ラスカット」を知り、資料を取り寄せると共に、理事会にて工法説明を受けた。実験装置を玄関に置くなどして、居住者にも効果の確認ができるように配慮し、水の出方や赤水発生の有無、対策工事の緊急度、そして電気防食法に対する賛成、反対等について、アンケートを実施。
「その結果、対策工事を「急いで」「状況をみて」が86%、「ラスカット工法」への賛成が73%、無回答を除けば93%にもなった」と当時の理事長Mさん。理事会ではラスカットを設置した物件をたずね、理事長に設置経緯や効果のほどについて聞いた経緯もある。

マンション管理新聞 第819号 2010年9月25日発行より引用
マンション管理新聞 第484号 2000年7月25日発行より引用