電気防食システム設置事例のご紹介

施工後時が経つにつれ、効果を実感
(築28年のSマンション808戸)

安全かつ在宅要請が不要な工法を採用

築28年のSマンション808戸

Sマンション(千葉県松戸市)

Sマンションでは、3年にわたり給水管更新を始め、8つの工法を詳細に分析し、導入すべき工法を検討した。
配管診断では直管部分のサビ腐食はあまり見られず、エルボ部分の腐食が問題と診断された。
工法について議論が交わされる中、例えば配管更新工事は、安全性や耐久性などは高くメリットは多いが、さほど腐食が進行していない直管部分までを取り替えなければならず、さらに長期間に及ぶ工事とそれに伴う騒音、そして高額な工事費用が懸念された。

どの工法も「帯に短し、たすきに長し」で決め手に欠けていたところ、系列マンションとの情報交換会で、ラスカット工法導入1年目の経過報告があった。その内容は、「目的とした防食効果が十分に発揮されている」「刺激のない、くせのない水になっている」等の報告で、「カルキ臭が少なく、ミネラルウォーターと比べて何ら遜色ない水になった」とべた褒めだった。
修繕委員会はこれを受け、詳細な工法説明を受けるとともに、取り寄せた資料の分析を開始した。

ラスカット工法は実際の施工も各戸に入室しての工事が不要なことから各戸に在宅要請する必要がないこと、そして薬品や添加物を一切使用しないなどの利点から、修繕委員会でラスカット工法の導入を決定した。

停電で実感。ラスカットの効果

「実は設置して、数ヵ月後の停電時、赤水の報告があった。 これは、停電により、ラスカットの機能が一時的に停止し、防食効果が働かなかったからだ。ラスカット設置後3年経った夏にゲリラ豪雨による落雷で一時的に停電したが、復旧後の赤水の報告はなかった。確実にカルシウム被膜が形成されている証拠だろう」元理事長のFさん。

導入の背景

Sマンションでは、築22年頃より数年にわたり修繕委員会で給水管更新を始め、更生工法など8つの工法が1工法ずつメリット、デメリットなど詳細な分析が行われ、検討された。
配管診断では直管部分の腐食は大したこと無くエルボ部分の腐食が問題とされた。

マンション管理新聞 第753号 2008年9月25日発行より引用