Aマンション 1000戸【築26年】
様々な工法が検討されたが、ラスカット工法が特許や保全技術審査証明を取得している事に加え、既に導入されていたマンションが十分な効果を発揮している実績を評価され、導入が決定された。
給水管更新工事の予定が変更になった理由
長期修繕計画は立てていたが、その時がくると見えるもの
管理業務を委託している管理会社から、「給水管更新工事」の提案があった。
しかし実際に更新工事をするとなると、配管が押し入れの中を通るなど、住民が最もこだわる美観の面で大きな問題があった。また、工事期間中、2~3日風呂が使えないなど、住民の生活への影響が大きいということが発覚した。
様々な工法について検討されたが、最終的に給水関係では歴史は浅いが、海洋関係の防錆では100年以上の歴史と実績があり、防錆理論も確かで分かりやすい電気防食の2工法へと絞り込まれた。
ラスカット工法の他に残っていた線電極を入れる工法の場合、線電極を配管内においておくと、線電極の被膜が水流で悪さをするのではとの不安の声もあったことから、ラスカット工法の導入が決定された。
ラスカット工法の最終決定にあたっては、特許取得、そして(財)建築保全センターの保全技術審査証明を取得している事に加え、既に導入されていたマンションと決定経緯や導入後の効果等について意見交換を行ったうえ、十分な効果を発揮しているとのことから、導入が決定された。
ノーの意見は一つもなかった。
「ラスカットの導入までには長い検討期間を重ねたが、導入することを決定する総会では、毎日口にする飲み水に関する議案だったにもかかわらず、住民からノーの意見は一つもなかった。過去の修繕工事を決定する際には、『オレの家はやらない』との声もあっただけに、胸を撫で下ろした」と、当時修繕委員だったMさん。
導入の背景
Aマンションの長期修繕計画によると、築25年目に給水管更新工事を実施する計画となっていた。それ以前よりAマンションでは修繕委員会を発足し、給水管劣化対策の具体的な検討に入っていた。「給水管更新工事」を実施するにあたり、押し入れの中に配管が回されること、施工期間中、2~3日は風呂が使えないことなど、配管更新採用が難しいという事実に直面。その他の延命工法を検討しなければならなくなった。